今日は「 山のABC 」について書いてみます。
山のABCは尾崎喜八、深田久弥、串田孫一、畦地梅太郎、内田耕作
編集の元作られた、全3巻続く山の本です。
なかなか3巻揃ってみることのできない本を、尾崎喜八さんのお孫さんから
books mobloさんがこの展示のために借りてきてくださいました。
AからZにあわせた山の言葉に、
アルプにおなじみに登場する詩人、画家、写真家たちが
山への愛する思いをこれでもかと発揮している本。
第2巻のあとがきで串田孫一はこう書いています。
「私たちは山に登ればそれで一応は満足はしますけれど、それを自分自分の内部で
実らせて、それを再び、それぞれの仕方で表現してみないと気がすまないのです。
略 それを一つの定着のさせ方だとお考えくださって、この本をごらんになって頂ければありがたいと思います。」
それぞれの惜しみない山への愛情が本当にこぼれんばかりに詰まっていて、
大の男たちが真剣にこの本を作っていたと思うと、
なんだかふふふと微笑ましくなるほどです。
しかしながらその中には、昭和30年代に作られたものとは思えないほどの
ハッとするページ作りや、胸を打つ詩が散りばめられています。
最近のわたしの店での居場所は、キッチンかこのABCが置かれている机の前。
一度開くと中々離れるのが難しい困った本です。
この3冊揃い組はもちろん非売品ですが、ぜひそのページを開いてみてください。
きっと新鮮な出逢いが待っているはずです。
(※1巻のみ、別に販売できるものが届いております。)