11月の初雪は54年ぶりという朝を迎えた展示6日目。展示中の身としては少々辛いものがありますが、やはり綺麗…と思ってしまいます。
そんな冬がひと足先に来てしまったような1日。
今日は静かに降る雪を眺めつつ、山野草を活けさせてもらったおふたりの花器について綴ろうと思います。
鎌倉の山へ入ると、すっかり秋のしっとりとした色合いにお色直しをしていた草花や木々たち。
決して華やかではないけれど、自然の作る本当に微妙な色彩は美しいです。
美しい色々な表情の花器を持って来てくれた山田さん。
私には崇高な花活けは出来ないけれど、
日々の山野草を山田さんの花器が柔らかく受け止めてくれるのでとても心地よく花を活けることができました。
富山さんは以前私が一目惚れした掛け花入れを作ってくれました。
その木の掛け花入れの質感は、
山の稜線で風雨に耐えて美しい造形美をみせてくれる木のようです。
木の節穴や、コブがとても格好いい。中にはガラス入っているので、もちろん季節の花を入れて楽しむことができます。
そしてこちらは花器ではないのだけれど、花を入れさせてもらった漆ボウル。
漆が削りあとを引き立てる、力強いボウルです。
冬を迎える草花を
ふたりの花器は優しく受け止めてくれました。